今までVueScanを使ったフィルムスキャンについて書いてなかったようなので、ちょっと記事にしたいと思う。

僕自身が今まさに本格的なスキャン作業に入るので、今やっていることをそのまま書こうと思う。

いままで、現像から上がったものをVueScanでスキャンしてきた。あくまでセレクトするため(インデックスやべた焼き、紙焼きは注文してないので、自分でスキャンせざるを得ない)に低解像度てスキャンしてきた。色やコントラストなどもある程度適当。今後は高解像度でスキャンしプリント向けにレタッチをしていく予定だ。

まずは「VueScanって何?」という話を書いておこう。

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上はVueScanの起動画面。

 
まず、"VueScanとは何か"というと、スキャナードライバであり、レタッチソフトである。 PCにあまり詳しくない方にはドライバっつうと難しい話になっちゃうので、簡単に言うと”スキャナーを動かして、スキャンした画像をちょっとだけいじることができ、ファイルとして保存できるソフト」というように理解して貰えればよいかと思う。

https://www.hamrick.com/

通常スキャナを購入するとこういったスキャナードライバが付属している。例えば、エプソン製のスキャナーを買えば「Epson Scan」というスキャナードライバーソフトが付いてくる。 これらのソフトもスキャナーを動作させ、ファイル保存できる。じゃ、なんでそんなVueScanなんてものを使うの?という疑問が湧くのは当然でしょう。

VueScanは以下のような特徴がある。
  1. 汎用のドライバであり、過去発売され製造終了したスキャナーを利用できる。
  2. 製品付属のドライバより細かい調整ができる。
    読み込み時の光量、RGBの光量の調整、読み込み後のレタッチ(さすがにPhotoshopレベルにはできない)
  3. 各種フィルム銘柄のオレンジベースのデータを持っており、ネガフィルムのオレンジベースを除去し、適切な色再現が容易にできる。
  4. スキャン速度が早い
1点目。NikonのCoolScanなど過去の販売されたスキャナーは軒並み最新OSへのドライバ提供を終了している。ただのゴミになってしまった。VueScanならこれらのスキャナーもバリバリ現役で活用できるのである。

2点目。少なくともEpsonのスキャナドライバよりも細かい調整ができる。Epsonはプレビューが非常に粗いので調整が難しく、しかも本スキャン後に修正の余地はない。一方でVueScanはプレビューとスキャンと2つに分かれており、プレビューでざっくり粗めにスキャンしスキャン範囲や調整をかけ、本スキャン後にも調整の余地が残されている。

3点目。リバーサルは撮影したものがそのままフィルムに焼き付けられるのに対し、ネガフィルムは色が反転している上に、オレンジベースがあるため撮影時の色を再現するのが難しい。これを比較的容易にしてくれるのである。スキャンした画像からフィルム銘柄に合わせてオレンジベースを抜き去ってくれる。

4点目。付属のソフトに比べれば明らかにスキャンが早い。作業効率も断然アップする。

価格は約90ドルだがずーっとバージョンアップできる。ただし、一人のエンジニア(ハームリックさん)がやっているようなので、彼がいなくなれば終わりかも・・・。まぁ、この手のものは誰かが引き継いだりってことはあるので、それほど心配しなくても良いかもしれない。

さて、いいことばかり書いてきたが、当然ながらすべてをボタン一発で解決!というわけには行かない。

L判あるいはKGサイズ程度であまり厳密なスキャンにこだわらない、作品制作に使わないということであれば、ここまででもOK、それなりに綺麗な画像がVueScanだけで完成できる。特にWebで使うというなら十分。

しかし、プリントとなるとしっかりとした階調、カラーバランスが大事。VueScanで綺麗に読み込んで、Photoshopでレタッチするということになる。

また別の記事でVueScanを使った僕なりのスキャン手順を紹介したいと思う。