2015年06月

暗室では、フィルムをネガキャリアに挟み、引き伸ばし機にマウントする。

そして、ランプをつければ、引き伸ばしレンズから印画紙に画像が投影される。

その投影された画像を印画紙が受け、銀が反応し印画紙上に画像が形成される。

ネガフィルムのスキャンもこれと何も変わらない。フィルムをスキャナーにマウントし、光が照射される。ネガを透過した光がCCDに寄って受光され、A/Dコンバーターをとおり、デジタルデータ化される。

銀塩印画紙との違いは、印画紙が光を受けたところで、ネガ像からポジ像への変換がおこなわれ、コントラストもある程度決定される。

スキャナの場合、デジタルデータ化された時点では、ネガ像そのままである。
ここから、スキャナドライバや画像処理ソフトがポジ像に変換し、コントラストや彩度がコントロールされる。

細かいところでは違いはあれど、根本的なところは何も変わらない。ゆえに、銀塩時代の暗室テクニックは そのまま活かせる。反対の見方をすると、結局銀塩の、知識とテクニックが、必要になることも意味するのだ。
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AFフィルム一眼レフのα-7を今年導入した。
なんでだっけ?

軽めの機材が欲しかったのかな?
それとも、AFが便利だったからか?

ま、とにかくある。
そしたら、一部の写真でどうも後ピンぽい写真があった。
よって、ボツ・・・。
えー、困った・・・。
絞りを絞ってしまえば被写界深度が深くなるので、ピントの問題はめだたなくなる。
でも、開け気味になるとね。

後ピンというのは、AFがここでピントあったよ、と言っているにもかかわらず、
実際ピントがあっているのはちょっと後ろということ。

こりゃ参りますわ。

というわけで、テストを実施。
みんなAFのピント精度というのは悩むわけでピントチェックシートというのがネットに転がっているのをゲット。プリンターで印刷して、テスト撮影。

デジカメの場合は、すぐに結果がわかるけどフィルムカメラの場合は、テスト撮影後現像に出してようやく分かる。しかも、スキャンしなくてはいけない・・・。

結果、やはり後ピン気味。1コマだけマニュアルフォーカスでピントを合わせたコマはドンピシャ。
つまり、スクリーンとフィルム面の誤差はなく、AFセンサーのみ誤差があるということ。
明るい室内でも同様に後ピン気味にみえるので、暗い場所での精度の問題ではなく、AF調整が必要と判断。

また、手間がかかるなぁ・・・。
やっぱ、マニュアルフォーカスがベストです。
 
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一眼レフであろうと、二眼レフであろうと、レンジファインダーであろうとフィルムカメラは現像するまで出来上がりがわからなかった。

露出計がどれだけ進化しようと、適正な露出で撮影できたかわからなかった。
だが、ネガフィルムはラティテュードが広く、多少のオーバー・アンダーでもプリントの段階で結構カバーができた。なので、フレーミングとピントしかわからないカメラでも十分だった。 

だが、リバーサルフィルムとなると、かなり厳密に露出を合わせなくてはいけない。
入射式露出計を駆使し、あるいは段階露出でベストな露出になるようにしなければ、階調はフィルムの中に収まってくれない。

大幅な輝度差のあるシーンでは、白飛びか黒つぶれを諦めなくてはいけない。
それでも、リバーサルは忠実な色再現、深みのある色を出すことができた。

これがフィルムとフィルムカメラの素晴らしさだと思う。
ネガフィルムの許容性が厳密にできないカメラを補う。
カメラは操作性に特化する。

では、デジタル一眼レフはどうか。
最近のセンサーはダイナミックレンジが広くなってかなり余裕が出るようになったが、センサーの特性はネガフィルムよりもポジフィルムに近い。白飛びには弱く、黒つぶれしていてもその中に意外と階調が残っている。

だが、ネガフィルムほどの許容度はないので、正確な露出がつかめない一眼レフでは ポジのようにできるだけ露出を適正にし、可能なら段階露出が好ましい。あるいはアンダー目に撮影しておくことだ。
だが、現像時にアンダーの写真の明るさを上げるということは、結果ノイズを増やすことにほかならない。

その点昨今はやりのミラーレスはまさにデジタルカメラの一つの最適解だと思う。
画面でリアルタイムに撮影結果が確認できる。ヒストグラムを表示して、適切な露出になっているかがわかる。

そんな考察の結果だろうか、現在デジタル一眼レフは持っていない。
ミラーレスとコンパクトだけ。いずれも撮影時にヒストグラムを確認できる。

フィルムカメラは、一眼レフ、レンジファインダー、コンパクトカメラといろいろ。
結局ネガフィルムであれば、だいたいはちゃんと写るのだ。
そして、ネガフィルムでポジフィルムくらいに追い込めば、より美しい写真になる。

そりゃ、ネガフィルム使いますよ。
お金かかるけれど・・・。 
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先日故障したライカM7。
修理屋さんに送って、見積もりだしてもらったけど、修理するのを諦めた。

見積もりは約9万から14万くらいの幅。
ボーナス出たから金がないわけではないけれど、これに使ってなんになろうか?

たぶん、このカメラを治したところで、そんなに使わない。今、別のカメラ2台が活躍してるから。
(そっちはライカの一眼レフ)。

M7を買ってからたくさん写真を撮ったし、それで僕の写真も成長した。使いやすいボディだし、レンジファインダーの静かなシャッター音は周りに迷惑をかけたり驚かせたりせずに撮影できて好きだった。

もう、フィルムも高騰していって、いつかはなくなる。しかも使わないカメラに金をかける?コレクション的な価値があって、修理しておくと修理費をペイできるっていうのならはらうよ。このカメラでしか撮れない世界があれば、治すよ。

でも、いま撮ってるものはレンジファインダーじゃなくて、一眼レフなんだよね。

そんで、今とってるものを撮り終わったら、フィルムで撮る頻度は劇的に減ると思うんだよね。

だから、もういいかなって。

カメラからのメッセージがしれないなって。僕は今の君には必要ないよって。M7を諦めたら、Mマウントレンズも全て手放す。そしたら、そこそこのお金にはなる。フィルム代に回したり、妻や子供のためにお金を使うべきだよって。

以前車を手放した時、やっぱり全然乗らなくなってたんだよね。いろんなところに行ったし、運転も楽しかった。でも、徐々に出かけなくなったり、写真を撮るほうに時間を使うようになって、車に乗らなくなった。最終的に手放して、そのお金で婚約指輪をかったり、結婚式の費用に回した。

道具に固執して、それにお金をかけ続けてもしょうがない。生活を豊かにするために道具があるんだから、豊かにならないものを持ち続けてもしょうがない。代替できる道具を持っているのだから、手放してもいいんだ。

必要な人がいればその人のところに行ってもらうべきなんだ。道具は使われるためにある。所有しているだけでは、道具が可哀想なんだ。

でも、心の中ではものすごい涙。
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中判フィルム、あるいはブローニーフィルムという。
35mmフィルムは、ほとんどのカメラで24mm × 36mmという比率で使われているが、
中判フィルムは様々なフォーマットで使われる。

 645、66、67、68、69など。
フィルム幅約6cmに対して、もう一辺をどれだけの長さにするかで変わってくる。
それぞれ、6cm×4.5cm、6cm×6cm、6cm×7cm、6cm×8cm、6cm×9cmとなる。さらに大きな6cm×12cmなんていうフォーマットもある。
サイズが違うので、縦横比も様々、4:3、1:1、1:1.25、2:3。
6cm×9cmは35mmと同じ2:3の比率。

35mmフィルムの登場までは中判がメジャーな存在であった。35mmの登場によって一般的な利用はそちらに譲ったが、商品撮影やファッション撮影などに中心に利用され続けた。

ロールフィルムであること(今後紹介する大判フィルムは、シートフィルムであり、フィルムをくるくる巻かない)で、利便性も高く、35mmよりも大きなフィルム面積に寄って粒状性はよく、ラティテュード、色再現など様々な面で35mmを超える。当然ながら、撮影枚数は35mmに比べて少なくなってしまうが、それよりも画質を撮るのであればやはり中判フィルムである。

リバーサルフィルムを使えば、投影しなくてもその美しい画像を見ることができる。
35mmのフィルムに慣れた人が中判フィルムを見ると、その広大な面積に圧倒される。

画質は上回るが、35mmフィルムカメラのコンパクトなサイズ、明るいレンズの作りやすさなど利便性ではどうしても劣ってしまう。光がよい条件であれば、美しい写真をとることができる、つまりスタジオ向きということになるのだ。

今となっては、新品で中判カメラを購入できなくなっている(富士フィルムが数年前に発売したが、現在は生産終了になったと思う)。一方で、中古では手頃な値段で手に入る機種もあるので、ちょっと遊び感覚で中判に手を出してみるのも楽しいのではないだろうか。 
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