2015年05月

モノクロであろうと、カラーであろうと、ネガフィルムフィルムはプリントしないと画像を見ることができない(ネガは、その名の通り、Negative画像だから)。

プリントする方法は、だいたい4つ。
1.暗室で引き伸ばし機でプリントする
2.お店のプリント専用機でプリントする
3.プロラボで手焼きしてもらう。
4. フィルムスキャンして、インクジェットプリントする。

いずれにせよ、今時フィルムで写真を撮ること自体がマニアックな行為なわけで、どれがいいとか、悪いとかではない。
ただ、比較的多いのは2番目でしょう。

特にポパイカメラとか、フォトカノンとかのオシャレ系のお店とか、女子カメラ系のお店にフィルムを出してちょっと色が傾いたプリントを作るっていう。

次が、やはりモノクロ現像を1つ目でやる方法。レンタル暗室も全然多くはないけれど、モノクロ暗室であれば、ちょいちょいあるし、自分でフィルム現像からプリントまでを全部やるケースが多い。すべて銀塩ウェットプロセス。作品性の高いものを作ろうとしたら、これが結構多いのでは。

そして、お金がかかるが、プロラボで手焼きというのもある。堀内カラーなどのプロラボと、ラボテイクなど小規模だけど、すべて手焼きで対応するなどプロラボで手焼きといっても、力の入れようの差はあるので、本格的に手焼きにしたいなら、そういうところで腕のいいプリンターとじっくり話を詰めていくのがよいと思う。

そして、最後が僕がやっている、フィルムスキャン。現像したフィルムをスキャンして、デジタルデータに変換。あとはPhotoshopと延々と格闘したのち、インクジェットプリンターで出力するという方法。
フィルムで撮影した写真を、隅々までレタッチしまくって、自分の思い通りの写真を作り込める。
ほぼ最強のバカがやる方法である。 
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撮影したフィルムは化学処理によって現像を行う。
化学薬品さえあれば、自分で現像することが可能。

モノクロフィルムは自家現像をするケースは多いが、カラーネガは温度管理が難しので自分で現像するよりお店で現像してもらうのがほとんど。

現像に出す場合、普通の現像をやっているお店か、プロラボで大きく分かれる。
プロラボは高いクオリティの現像をしてくれるところで、現像も吊り現ができる機械をつかうところがほとんど。吊り現は、フィルムを吊るして機械の中の現像液に入っていくので、機械と接触する部分がなく、傷がつきにくい現像の方法。

一方でシネ現とよばれる方法の現像機では、フィルムをテープでつないでローラーでフィルムを送って、現像していくので、機械との接触箇所があり、傷がつくリスクがある。

また、カラーネガの現像は上述したように温度管理がシビアであったり、液の状態管理がしっかりしていないと、色がおかしくなったりすることがあるため、しっかりした現像液管理に出すことが大事になる。

とはいえ、現状プロラボにフィルム現像を出しているのだが、大量の傷がついて帰ってくるというトラブルに見舞われている・・・。
まともな現像をしていたラボが3月で営業を終了し、次に出したところは傷だらけという現状。他のラボでどうなるか様子を見なくてはならない。とほほ・・・。

テスト用に撮影したフィルムはヨドバシカメラに現像をだしているのだが、実はヨドバシカメラではあまり傷がつかない。だが、実際ヨドバシカメラがどこに現像をだしていて、そこの現像方法や品質が正直なんとも測りかねるので、ヨドバシに任せていいかなんとも決めかねている。 
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僕がカラーフィルムにはまった理由は色だ。
デジタルカメラで撮影した写真のほとんどが、異様な彩度の写真になる。
特に、RGBCMY。中間色ではそれほどのことは発生しないが、
これらの色は飽和しやすく、異様な色になる。

デジタルカメラで撮影した写真をプリントする場合には、
色ごとに彩度のパラメーターを調整したうえで、
部分的に彩度をさらに下げることもする。

ほとんどの人がそれに気づいていない。

先日ブラタモリを観ていた。
あの番組はビデオの合間に、スチルで撮影したカットが割り込んできたりする。
その瞬間に、ビデオの色とスチルの色が明らかに変わる。
シアン系のコートをきた人と、イエロー系のコートをきた人がいたが、
スチル担った途端にその色の彩度が明らかに変わって見える。
プリントせずとも、画面で観ても明らかに違うレベルなのだ。

もちろん、技術をもってそれをコントロールすれば良い。
だが、所詮35mmフルサイズのデジタルカメラは14bitのカラーしか持っていないし、
センサーの特性上どうしても、色は飽和しやすくなる。
(ちなみに、中判デジタルでようやく16bit)

一方でネガフィルムはそこまで色が極端にでることはないし、
もともと軟調であるから、あとはプリントをする人間の技術でいかようにもコントロールできる。
14bitにとか16bitとかないし、スキャンすれば16bitのデータとして扱える。

色をきちんとコントロールしたいなら、ネガフィルムの方がデジカメよりも
優位性が高いと思うのだ。

科学的に分析したわけでないし、十分の調査をしたわけでもない。
自分の持てる知識と経験からすると、ネガフィルムからのプリントのほうが
美しいプリントが作るという実感がある。
ただし、プリントのための高い技術が必要だが。


 
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最初はデジタルでモノクロを撮っていたが、デジタルモノクロではのぬめっとした画像に粒子を乗せるのが常である。

DxO FilmPackといういろいろなモノクロフィルムの銘柄を再現するソフトも出ている。

そんなことするなら、結局最初からフィルムで撮ればいいじゃないと思った。
それに、デジタルの白飛びもいやだった。あるところで突然白が飛んでしまう。
ネガフィルムであれば、ある程度粘りながら白に繋がっていく。

そして、ちょうどそのころ、突然ライカが欲しくなった。
でも、暗室でプリントするまでは時間的な余裕もなかったし、すでにインクジェットプリンターやらフォトショッブは揃えきっていた。

これはもうフィルムをスキャンして、デジタルプリントをするしかない! 
すでに国産メーカーのスキャナは新品販売していなかったが、台湾メーカーのフィルムスキャナがあったので、それを手に入れた。

そこから、また長い戦いが始まった。フィルをうまくスキャンしなくてはいけないし、まだまだ上手くないプリント技術も高めていかなくてはならない。
そして、撮影も。

でも、とにかく時間をかけて寝る間を惜しんでいけば技術は上がっていくもので、それなりのプリントには近づいていった。それにともない、写真もすこしづつ面白くなっていった(気がする)。

本当はフィルムかデジタルどちらがよいという話ではないのだということはわかっている。結局自分が気持ちよく撮影して、自分が満足できるプロセスで、自分の目指す結果を出すという過程が楽しいのだ。

ただ、それだけのことで、僕にとってそれはフィルムカメラにフィルムを積めて撮影することなのだ。  

デジタルカメラでは得られない感触が僕を撮影に駆り立てるのだ。

 
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今のデジタルカメラの解像度はものすごい状況になっている。
Canonの最新のカメラは35mmフルサイズセンサーで5000万画素を実現している。

解像感は大判フィルム(8x10くらい)くらいまで届いているのではないか。
もしかしたらもうそれを越えているかもしれない。

そんな状況のなかで、35mmや中判で解像感を求めてはいけない。
それが大事なら、フィルムになど手をつけるべきでない。
そもそも35mmフィルムカメラは画質よりも小型化を優先したカメラだ。
高画質、高解像を求めて作られたものではない。
いつでも、どこでも容易に持ち運ぶことができる。
明るいレンズが作りやすく、シャッタースピードが稼ぎやすい。

そう、まさにスナップショットのためのカメラと言ってよい。 
35mmフィルムの名作の多くは、スナップショットだ。
キャパにせよ、森山大道にせよ、小さなカメラを持ち歩き、その視線で感じたものを捕らえるという撮り方。 

荒れた粒子の表現や、抽象的な表現。瞬間を捕らえる表現。暗い環境(=普段の室内)での表現。
これらのための道具が、35mmフィルムだ。

さて、35mmに限らずフィルムの優位性ってなんだろう?
それは、デジタルカメラ用のセンサーとフィルムの光の受け方の違いから生まれてくる。
 
詳しくはまた別の機会にするとして、フィルムは赤、緑、青に反応する3つの層が重なり各層で光の量が記録される。また、化学的反応であるから、その記録はアナログであり無段階の階調を持つことになる(もちろん、上限と下限は存在する)。

また、ネガフィルム、ポジフィルムでもその受光特性は異なってくる。
こういったデジタルカメラ用のセンサーとの特性の違いが、今あえてフィルムを使う理由になるのだと思う。 
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